Jizai2050プロジェクトの目標は、私たちの日常的なコミュニケーションを支援することを通して、真にこころ豊かで包摂的な社会の形成に寄与することです。しかし、他の多くの先端科学技術と同じように、「自在ホンヤク機」の開発と社会実装には、技術的な課題だけではなく、さまざまな倫理的・法的・社会的な課題（ethical, legal, and social issues: ELSI）も伴います。
とくに、「自在ホンヤク機」の中心である「こころの状態を読み取る」という点について、私たちのコミュニケーションの形が変わることへの不安や、大切な秘密が盗み見られることへの恐怖を感じる人がいるかもしれません。
そこで私たちは、Jizai2050の研究テーマとして「ELSI」を位置付け、「自在ホンヤク機」の開発と社会実装に伴う諸課題の析出と解決を目指します。具体的には、主に次のような研究に取り組んでいきます。
- 実際のニーズに即して「自在ホンヤク機」が開発されるように、発達障害（神経発達症）がある人々や教育現場の人々をはじめ、幅広いステークホルダと対話を続ける。
- 望ましいコミュニケーションの形や、適切なコミュニケーション支援技術のあり方について、社会的議論が必要な点を明らかにする。
- 「自在ホンヤク機」のようなコミュニケーション支援技術の濫用・悪用を想定して、こうした技術に特化した倫理ガイドライン等を策定する。
研究メンバー
