話題提供: 佐々木拓哉(東北大学)
2023年8月3日、仙台国際センターで行われた第46回日本神経科学大会において、本ムーンプロジェクトが共催となりシンポジウム「脳科学および工学技術の融合によるこころへのアプローチの最先端」を開催しました。
本シンポジウムは、本プロジェクトと、ムーンショット目標9のもう1つのプロジェクト「逆境の中でも前向きに生きられる社会の実現(山田真希子PM)」との共催にて行われました。本プロジェクトからは私と長井PI、山田プロジェクトからは、山田PI、下條PIが登壇しました。
シンポジウムでは、個々の演者がムーンショットプロジェクトの目標を紹介しながら、最先端の脳活動のセンシングやインターベンション技術を用いて、こころの読み出しに挑む研究成果について発表が行われました。特に、将来の神経科学分野にいかに工学や情報科学のアイデアを導入できるか多層的な視点から、今後の展望について議論ができたと思います。また、ヒト研究と動物研究をいかに繋げるか議論することで、ヒト認知科学分野のみならず、私のような動物を扱う神経科学者にも重要な考察を与える機会になりました。各発表者からは、国内外を先導するハイレベルな最先端の研究が紹介されましたので、当日は聴衆が会場に入りきらず、立ち見ができるほどの盛況となりました。今後もプロジェクト間での密な連携を期待しています。
座長
・佐々木拓哉(東北大学大学院薬学研究科)
・山田真希子(量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所)
登壇者(発表順)
・下條 信輔(カリフォルニア工科大学 生物工学科 下條精神物理学研究室)
・長井 志江(東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構 認知発達ロボティクス研究室)
・Jessica Taylor(国際電気通信基礎技術研究所(ATR) 脳拡張計算グループ 認知発達ロボティクス研究室)
・山田 真希子(量子科学技術研究開発機構 脳とこころの研究グループ)
・佐々木 拓哉(東北大学大学院薬学研究科薬理学分野)